京都市の中で単身世帯が多いエリアはどこか(H27年度国勢調査結果)

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以前、国勢調査の結果から学生が多いエリアを紹介しました(以下のリンク参照)。

今回は、学生や社会人も含めて単身世帯が多く住むエリアを紹介します。

京都市の2020年10月時点での人口は約140万人。世帯数は72万世帯となっています。そのうち単身世帯数は35万世帯であり、その割合は50%と年々増加傾向にあります。

一体、どのエリアに単身世帯が多いのでしょうか。

単身世帯(一人世帯)の割合が高いエリア

では、早速見ていきましょう。

そのエリアの「全世帯数」に占める「単身世帯(一人世帯)」の割合が高いエリアをランキング形式でグラフにまとめました。

エリアの区分けは京都市の学区毎の区分けとなっています。学区エリアを言われても地元の方以外は恐らくほとんどピンと来ないと思いますので、下に地図を掲載しておりますので参考にしてください。

さて、結果を見てみるとランキング1位は左京区の「養正」で75%が単身世帯となっています。つまり4世帯のうち3世帯は単身世帯となります。

京都大学の北西エリアであり、京阪「出町柳駅」があるエリアになります。京都大学は2万人以上の学生が在籍いるため、その近隣エリアには学生マンションが立ち並び、単身世帯率が高いのも頷けます。

また、8位に鴨川の西側に隣接する「京極」エリアがランクインしています(地図には未記載)。下の地図の「御所」(京都御所のこと)の東には京都府立医科大学、北には同志社大学、同志社女子大学があり、このエリアも学生比率が高いエリアとなっています。

左京区南部 (出展:京都市統計ポータル)

ランキング2位以下は下京区のエリアが並びます。「皆山」エリアは京都駅に北に広がるエリアです。ホテルや商業施設も多いのですが、マンションも多く立ち並んでおり、駅近でもあるので若い層にも人気があるエリアです。京都駅の徒歩圏内というのはかなりのメリットだと思います。

以下「菊浜」「永松」「有隣」「開智」「豊園」は四条通から七条通までの烏丸通以東のエリアになります。このあたりの地価は鴨川に違い東側の方が高い傾向にあり、自ずと世帯面積が狭くなりがちであり、単身向けマンションが多くなる傾向にあります。その中でも、四条と七条の間の五条通には比較的多くのファミリーマンションが立ち並んでいます。

以上、一人世帯の割合が多いエリアでした。単身世帯の年齢構成は明示されていませんが、エリアを見ると学生や20代,30代の単身世帯が多そうなエリアが上位を占めていることが分かりました。

下京区 (出展:京都市統計ポータル)

一人世帯の割合が低いエリア

続いて、逆に一人世帯の割合が低いエリアも紹介します。

一人世帯の割合が低い、つまり、2人以上の世帯の割合が多いエリア、夫婦世帯や子供のいるファミリー世帯、3世代世帯が多いエリアを指しています。

1位は西京区の「桂坂」エリアです。下の地図からも分かりますが、エリアのほとんどが「桂坂ニュータウン」となっています。京都市でニュータウンと言えば、桂坂ニュータウンか、洛西ニュータウンを想像される方が多いのではないでしょうか。 「桂坂ニュータウン」は1983年から開発が始まり、そのほとんどが一戸建てとなっており、ファミリー世帯が多い理由となっています。 京都市街から離れた閑静な住宅街であり、京都市で一戸建てを建てる憧れの地でもあります。

また、同じ西京区として「大原野」「竹の里」「境谷」がランクインしており、こちらは 洛西ニュータウン のあるエリアとなっております。

3位と6位にランクインしている伏見区「久我の杜」と「羽束師」エリアも最近、新築の一戸建てが多くファミリー層に人気のあるエリアとなっております。駅からは距離がありますので車は必須です。京都駅まで車で30分程ののどかな田園地帯となります。

西京区 (出展:京都市統計ポータル)
伏見区 (出展:京都市統計ポータル)

夫婦のみの世帯の割合が高いエリア

続いて夫婦のみの世帯の割合が高いエリアです。こちらは一人世帯でなく、子供がいないもしくはすでに子供が独立している夫婦世帯という位置づけになります。以下がランキングになります。

実はここでランクインしているエリアは65歳以上のみの夫婦世帯エリアとほぼ同じエリアとなっております。つまり、子供がいない若いDINKs世帯はこのランキングには現れておりません。

さきほど一人世帯が少ないエリアで紹介した「境谷」「竹の里」は夫婦のみの世帯が多いエリアであり、かつ65歳以上の夫婦が多いエリアということになります。洛西ニュータウンは開発当初から団塊の世代が多く入居したことから、それから40年が経った今、高齢化問題が深刻化している状況がこの国勢調査でも浮かび上がっているようです。

夫婦と子供から成る世帯の割合が高いエリア

最後に夫婦と子供から成る世帯の割合が高いエリアです。つまり、子持ちのファミリー世帯が多いエリアということになります。

夫婦と子供世帯 = 一人、夫婦のみではない世帯

ということで、先ほど紹介した一人世帯の割合が低いエリアと重なっています。京都市街地から少し離れた閑静で子育てしやすいエリアがランクインしています。

まとめ

今回は国勢調査の結果をもとに、世帯人数構成に注目して、まとめてみました。

その結果、一人世帯の割合が多かったのは、左京区の出町柳周辺や四条から京都駅までのエリアでした。これらは大学が近くにある学生が多いエリアや市街地の利便性の高いエリアで、年齢層としては若い学生、社会人が多いエリアということが分かりました。

また、夫婦世帯のみの割合が多かったのは、子供が独立した後の夫婦世帯が多いエリアであり、具体的には高齢化が進む洛西ニュータウンとその周辺が多いことが分かりました。

夫婦と子供世帯の割合が多いエリア、つまり子持ちのファミリー世帯の割合が多いエリアは、桂坂や松尾、桂徳、桂川の西京区エリアと久我の杜、羽束師、久我、藤城のある伏見区エリアでした。

以上のことから市中心部に一人世帯が多く、ファミリー世帯は郊外に多いという結果であり、不動産でいうと地価の高い市中心部では専有面積の小さい単身世帯が多く、郊外に行くにつれ地価が下がり、専有面積の広い一戸建てが多く、ファミリー世帯が多いという妥当な結果となりました。

今回紹介しきれなかった他のエリアについては、また別の機会に紹介したいと思います。