阪神間の賃貸物件の賃料分布(神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市)

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このサイトでは京都市内の賃貸物件の賃料と専有面積について調査していますが、今回は阪神間にある神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市の賃料と専有面積についてグラフを使って見ていきたいと思います。京都市や大阪市と並ぶ人気のエリアです。

賃貸情報のデータ取得日は2019年1月19日です。生データを元にしたグラフを見て頂き、京都市の傾向と比較してみてください。
比較対象となる京都市の賃貸データは2019年1月13日付の以下の賃貸分析結果を参照ください。


また、前回、阪神間の都市と京都市を比較した結果についてはこちらをご覧ください。

神戸市全体の平均賃料と平均専有面積はどれくらい?

下のデータは2019年1月19日時点での神戸市内の物件を間取りごとに分類したものです。
以下のグラフでは、それぞれの間取りの賃料(平均値)を青字でグラフ中に記しています。「ワンルーム」などの間取りの横に記してある白の数字は物件数となります。

神戸市全体では、単身者向けとなるワンルームの平均家賃は5.0万円(+0.7万円)、1LDKの平均家賃は8.3万円(+0.4万円)となっています。
ファミリー向けとなる2LDKの平均家賃は8.7万円(+0.3万円)、3LDKとなると平均家賃は9.7万円(-0.9万円)となっています。(カッコ内は京都市の調査結果との差分です。)

専有面積に関してはワンルームで22.7m2(+2.3m2)、1LDKで41.0m2(+0.6m2)、2LDKで56.5m2(+2.7m2)、3LDKで70.0m2(+3.5m2)となっています。
家賃も専有面積も京都市より高く、広くなっています。
唯一3LDKの家賃のみ京都市の方が高くなっています。神戸市は海と山に挟まれて土地は少ないですが、その分、タワーマンションも多く専有面積は十分に確保できる余地があります。

続けて神戸市各区と芦屋市、西宮市、尼崎市の賃料データを紹介します。
ワンルームや1LDKなど全ての間取りを母数にした各区の物件の平均賃料です。

北区が最も安く、芦屋市が最も高くなっており、平均賃料で見ると4万円の差となっています。
芦屋市は、関西で最も高額所得者が多く住む町だけあって平均家賃で10万円と高額です。

神戸市の間取り毎の平均賃料はどれくらい?

次に神戸市の賃貸物件の間取り毎の賃料を各区で見ていきます。
芦屋市、西宮市、尼崎市は含みません。

ワンルーム

1LDK

2LDK

3LDK

3LDKの賃料は中央区で15.4万円です。神戸市全体の平均値では京都市よりも高め賃料の結果が出ていましたが、区レベルで見ると京都市中京区が20.4万円だったので神戸市中央区は5万円ほど安くなっています。


賃料の分布はどうなっている?

次に各区毎に賃料の分布をヒストグラムにしたものを紹介します。
希望の間取りがその区でどのように分布しているかが分かります。また、専有面積と賃料の散布図も載せています。この二つのパラメータには正の相関があり、面積が広いほど賃料が高くなる傾向が回帰直線を見ることで分かります。傾きが大きいということは面積の増加の割合に対して賃料の増加の割合が大きいということであり、単位面積あたりの賃料が高いことを表しています。

では、まずはじめに、グラフ化するデータの母数となる各区の物件数のグラフを紹介します。

神戸市中央区が最も多く、西宮市、尼崎市、灘区と続いています。

それでは順に各区の物件の分布をヒストグラムと散布図で見ていきます。

1.尼崎市





尼崎市の物件数2523件のうち、約半数が1Kとワンルームが占めます。しかしながら最近はJR尼崎駅周辺の再開発も進み、マンションが林立しており、ファミリー世帯向けの物件も増加しています。3LDKの平均賃料は8.6万円です。

ここで回帰直線について念のため説明しておきます。
散布図の中に右肩上がりの青い直線が引かれていますが、これが専有面積と賃料の関係を1次近似した回帰直線になります。
尼崎市の場合はこの回帰直線の式は「y=0.09x+2.7」です(散布図の左上に青字で記載されています)。ここでxは専有面積、yは賃料です。
試しにxに平均専有面積である37.9m2を代入するとy=0.09×37.9+2.7となり、y=6.2となります。これは平均賃料の6.2万円と一致します。希望物件の専有面積が分かれば、この回帰直線の式に代入することでおおよその賃料相場がわかります。

2.西宮市

西宮市の物件数は3266件と多いですが、その中でも3LDKが502件と非常に多いのが特徴です。梅田や三宮へのアクセスがどちらも20分弱という利便性からこのエリアの人気は高く、ベッドタウンとして発展してきました。阪急沿線は高級住宅地や文教地区もあり、ファミリー世帯の人気が高く、物件数もそれに呼応するように広めの物件が増えているようです。
西宮市についてはその利便性について別途、別のコラムで紹介したいと思います。

3.芦屋市

3LDKの専有面積が78.1m2と広く、平均専有面積も55.8m2と他の区域と比較して非常に広くなっています。
単位面積あたりの賃料単価は芦屋市とは言えど、神戸市と比較して極端に高いわけではありませんが、専有面積が広いため賃料が高くなっているようです。全物件を平均した賃料は9.7万円です。

4.東灘区
5.灘区
6.中央区
7.兵庫区
8.長田区
9.須磨区
10.垂水区
11.北区




北区は神戸市の9つの区の中で2番目に人口が多く、鈴蘭台をはじめとして、神戸電鉄沿線はベッドタウンとなっています。また、有馬温泉があるのも北区であり、六甲山と共に神戸市を代表する観光地となっています。

12.西区




神戸市中心部のベッドタウンとして開発が進み、現在では25万人を超える神戸市で最も人口の多い区となっています。中でも西神ニュータウンは計画的に整備された大規模な住宅地であり、西神中央駅周辺はショッピングセンターやデパートも充実しており、ファミリー世帯にとって人気のエリアとなっています。駅前にはタワーマンションもありますが、西神南ニュータウンと合わせて全体的には戸建てが多くなっています。


阪神間の賃貸分布を見てきましたが、いかがでしょうか。大阪と神戸の間は関西でも屈指の人気エリアですが六甲山と海に挟まれた限られたエリアとなるため、おのずと賃料も上昇します。芦屋市をピークに東側は西宮市、尼崎市と賃料が安くなり、西側は東灘区、灘区、中央区、兵庫区と賃料が安くなります。
京都の和の文化と歴史の重厚感のある風情とは異なり、近代的で洗練された軽快な街並みが多く、便利な商業施設も多いため若い世代には京都市よりも人気があります。

尚、参考までに京都市から神戸市三宮までの所要時間ですが、JRの新快速で53分(1080円)、阪急では烏丸から神戸三宮まで特急で1時間9分(十三で乗り換え必要、金額620円)です。1時間もあれば着けてしまう便利な距離ですね。