京都市と大阪市ではどちらの賃貸物件が安いのか (2021年1月調査)

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これらか2月、3月と引っ越しシーズンを迎えますが、大阪市か京都市どちらが賃料が安いのか気になる方もいらっしゃると思います。

そこで、今回は京都市と大阪市の賃貸物件の比較をおこないます。2021年1月の情報を元にしています。

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専有面積と賃料の関係

専有面積を横軸に、賃料を縦軸にしたサンプルを描いたものが上のグラフです。グラフは京都市、大阪市の順です。また散布図の上と右にはヒストグラムを付けています。

京都市、大阪市の物件の平均値はそれぞれ以下のようになります。結果からいうと平均値は見事なまでにほぼ同じです。

賃料専有面積
京都市5.9万円30.0m2
大阪市5.9万円29.9m2
表1. 平均値情報
(対象物件数 京都市:21740件 大阪市:52800件 2021年1月)

ただし、平均値は同じですが、その分布は少し異なります。

散布図のグラフを良く見ると右肩上がりの傾向が分かりますが、その上がり方の傾き、つまり、物件の広さが広くなるにつれての賃料が上がり方が大阪市の方が大きくなっています。

数値の傾きでいうと京都市が1m2広くなるにつれて平均0.13万円増加するのに対して、大阪市は平均0.16万円増加します。その差300円になります。+50m2だとその50倍の1万5000円の差になります。

大阪市のグラフは専有面積が広い領域で賃料のばらつき幅が大きくなっていることが見て取れると思います。

間取り毎でどれくらい賃料の差があるのかは後で紹介します。

築年数と賃料の関係

次に築年数と賃料の関係を見てみます。

グラフは京都市、大阪市の順に並べています。横軸が築年数、縦軸が賃料の散布図です。また、間取り毎に色分けしています。

どちらも築年数が大きい、つまり、古くなるに従い、賃料が少しずつ下がっているのが分かるかと思います。そして、どちらも築30年くらいから下降傾向が底打ちしてそれ以上、賃料が下がらなくなります。築30年というと1990年頃に建てられた物件になりますのでリフォーム・リノベーション等で改修し、それ以上物件価値が下がらないよう家主側で対応しているようです。

築年数の浅い新しい物件を見比べてみると、京都市は比較的どの間取りの賃貸物件も存在していることが分かりますが、大阪市は新しい物件の割合が少ないことが分かります。特に3LDKなどファミリー世帯向けの広めの物件は新しい物件が少なくなっています。これは少し意外な結果でした。

間取り毎の賃料の比較

間取り毎の賃料を比較をします。京都市、大阪市の順です。

さきほど全間取りを平均した賃料はどちらも5.5万円でした。上の棒グラフを見ると間取り毎で分けてもほぼ同じですが、広い間取りは大阪市の方がやや上回っています。これはさきほどの傾きが大阪市の方が大きかったため納得の結果です。

続いて間取り毎の専有面積の比較です。

こちらもほぼ同じです。間取りの広さというのは全国共通ですので、比較する意味はあまり無いのですが、京都市の1LDKと大阪市の1LDKの広さは同じということが改めて分かって頂けたかと思います。

続いて、単位面積あたりの賃料を比較します。面積当たりの賃料ですので間取りの違いによる賃料の差が平準化されています。

こちらも大きな差はありません。

終わりに

これらか2月、3月と引っ越しシーズンを迎えますが、大阪市か京都市どちらが賃料が安いのか気になる方もいらっしゃると思いますが、結果としては同じになりました。

専有面積や面積あたりの賃料にあまり差が無いということは広さやその物件の地価もあまり差が無いことを意味しています。

違いがあるとすると大阪市は新しい物件の割合が少ないことです。京都市と大阪市で面積も賃料も同じぐらいですが、築年数は少し古くなるということです。

ただし、古くても改修・リノベーションされていますので住み心地はあまり変わらないかもしれません。

もうひとつ注釈を入れるとすると、この結果は市全体の平均値の比較になります。

地域によって当然差は出ます。例えば下のグラフは1LDKの家賃を京都市と大阪市の行政区ごとに並べたものになります。

さきほど見たように京都市の平均は8.5万円、大阪市の平均は8.7万円です。

しかし、京都市の中でも行政区によって平均家賃に差があり中京区と山科区では賃料に3万円ほど差があります。大阪市も然りで中央区と住之江区では5万円という大きな差があります。

ワンルームの単身世帯向けの安い物件が多い地域もありますし、ファミリー向けの高めの物件が多い地域もあり部屋の広さによって家賃が変わるので行政区によって平均家賃に差がでることになります。また、単純に地価による違いもあります。

どの地域の範囲で見るかで平均値は変わりますが、今回は市全体での平均値で比較してほぼ同じ結果が得られたということになります。行政区域ごとの違いや最寄り駅ごとの物件の違いについては別の機会に紹介したいと思います。

京都市 区毎の1LDKの平均賃料
大阪市 区毎の1LDKの賃料

参考データ