京都御苑には大きな鳥居を持つ神社が3つあります。
そのうちの一つが九条池のほとりにある厳島神社です。
間之町口と堺町御門の間にあり、地下鉄丸太町からもアクセスしやすい場所にあります。
北にある白雲神社も弁財天が祀られているのですが、厳島神社の弁財天は池の弁財天と言われ、九条池の島に鎮座しています。島へ行くには池の北にある小さな橋を渡ります。
少し変わった形の鳥居は,京都三珍鳥居の一つで、唐破風鳥居と呼ばれています。ちなみに他の珍鳥居はのひとつめは太秦にある木嶋神社(このしまじんじゃ)にある三鳥居(さんとりい)です。ここの鳥居は鳥居の足が3本あるという大変珍しい鳥居です。
もうひとつの鳥居は北野天満宮の伴氏社の鳥居です。蓮華座鳥居(れんげざとりい)と呼ばれ、その名の通り、鳥居の台座の部分が蓮華になっています。
さて、話を京都御苑の厳島神社に戻しましょう。
九条池の弁財天は平清盛ゆかりということで安芸の厳島神社を勧請したものが始まりと言われています。その後、江戸時代にこの地にあった摂家のひとつ、九條家の屋敷に移され、以後この地で九條家を守る社となっています。
本殿の西側には弁財天の美しい絵馬が奉納されています。
祭神は正確には市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)と記されており、仏教の弁財天と同一視される神様です。
写真にあるように弁財天は楽器である琵琶を持っており、水の神、財宝の神、音楽の神様と言われています。
きっと音楽が上手くなりたい人の絵馬がかかっているのでしょう。
ここ九条池には実に様々な生き物がいます。京都御苑の中で最も大きな池ということもあり多様な生態系がこの池周辺で育まれています。
この写真に写っているだけでも3種類の鳥がいます。
白鷺、鴨、鳩です。他にも青鷺、カラス、鯉、亀、スッポン、猫など実に多彩です。鴨や鷺などは御苑の東に流れる鴨川からも飛来しているようです。
また、鷺は御苑の散歩道の砂利の上を闊歩し、訪れた観光客を驚かせていることがあります。御苑の地は彼らにとって、すでに我が家のようなものなのかもしれません。