京都市賃貸物件の家賃はコロナ禍の影響で上昇したか?

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この1年、コロナ禍の影響により生活スタイルが大きく変化しました。

コロナ禍が住環境に与える影響はあったのでしょうか?

リモートワークが推進されている影響で、通勤に便利な都心部に住む必要性が薄らいでおり、都心に住まなくても良い生活になっているとも言われます。また、密を避けるため東京を始めとする都心への流入者が減ったとも言われています。

このサイトでは京都市の賃貸物件の賃料を定点観測しています。そこで過去1年の賃料の時系列推移を見てみたいと思います。

以下は、2019年10月から2020年11月までの間取りごとの賃料の推移を表したグラフです。カッコ内の数字は1年間の賃料の変動率を示しています

コロナウィルスが中国で広まりだしたのが2020年1月あたりで、日本全国の緊急事態宣言が発表されたのが4月ですから、全体的に見るとこのあたりから家賃も微増していることが分かります。この傾向が直接コロナ禍の影響と言えるのか、単純な物価上昇と見るのかは過去のもう少し長いスパンでのトレンド、および物価指数も併せて考える必要があります。

そこで、全国消費者物価指数を以下のサイトから引用してみます。調査によると2019年の家賃の上昇率は前年比±0%ということなので、2020年も同程度と仮定すると比較すると京都市の上昇率は高いと言えます。

消費者物価指数 全国 2019年(令和元年)平均 (2020年1月24日公表)

統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国 2020年(令和2年)平均
総務省統計局、統計研究研修所の共同運営によるサイトです。国勢の基本に関する統計の企画・作成・提供、国及び地方公共団体の統計職員に専門的な研修を行っています。

次に1m2当たりの賃料を間取り別で表したものを紹介します。

家賃は専有面積が広い方が高くなりますが、相場を見るときにワンルームと3LDKの家賃を同じ尺度で見たい場合に、このように面積あたりの家賃で比較することがあります。面積あたりの値段ですので「地価」のような考え方と同じになります。

グラフ中の数値は1年間の上昇率になります。1K +2.65%、ワンルーム +3.74%、1LDK +2.45%、2LDK +5.5%、2LDK +3.51%になっており、2LDKの上昇率が+6%と最も高くなっています。

1Kやワンルームの面積あたりの賃料が3LDKの賃料よりも高いのは以下の理由によります。

トイレや洗面所、お風呂などの「共通部分」は専有面積の大小に関わらずほぼ一定の面積が必要になります。一方、居室として使用される部屋面積は1Kよりも3LDKの方が部屋数が多いため、部屋数に応じて面積が上昇します。1m2あたりの家賃は総賃料をこれら物件の総面積(共通部分面積+居室面積)で割ったものになりますので、総面積に占める「共通部分」の多い1Kやワンルームは1m2あたりの家賃が高く見えてしまいます。

消費者物価指数とは別に全国の家賃の調査結果があり、以下が参考になります。

ページが見つかりません | 東京カンテイ

上記サイトの結果によると関西圏の過去1年の賃料の上昇率は+1%ということです。ちなみに関東圏の平均は+9.7%ということです。東京が+5.8%、神奈川が+11.2%ということで、東京よりも神奈川の方が上昇率が高く、都心を回避しているようにも見えます。

京都は関東圏には及ばないものの関西圏では高い部類に入っていることが分かります。

以下は専有面積の推移です。専有面積は間取り毎で面積範囲が決まっているため当たり前ですが、大きな変動はありません。つまり、先ほど示した「面積あたりの賃料」の変動は、「家賃」の変動の影響が大きいということになります。

さて、1年間のデータを見てみました。京都市の家賃は上昇はしましたが、これがコロナ禍の影響かどうかは、はっきりとは分かりませんでした。

家賃も市場原理によって決まりますので、需要の大きいエリアは家賃が高騰し、需要の少ないエリアは家賃を下げる方向に圧力がかかります。

コロナ禍の影響によりテレワークが推進され通勤自体がなくなり、住む場所に制限がなくなる例も増えて来ています。その結果、都心から郊外や地方へ人口が流出しているという話も聞きます。コロナ禍がこの需給バランスにどれほど影響を与えたのか気になる所であり、それが家賃トレンドという形で反映されるのかどうかを今後もウオッチしていきたいと思います。

上記グラフは当サイトでまとめているデータを抜粋し加工したものです。間取り毎の家賃の時系列推移は以下を参照ください。