3月下旬となり、京都御苑では桜の花が咲きはじめました。
今日3月30日は、あいにくの雨模様でしたが、桜を見るために多くの方が京都御苑内に足を運んでいました。
こちらは京都御苑の西に位置する皇宮警察京都護衛所内の枝垂れ桜です。施設の中に入ることは出来ないのですが、門の外からその立派な桜を見ることができます。
ちなみに、右奥、屋根の向こう見える葉の無い背の高い木はイチョウの木なのですが、こちらも秋には燃えるような黄色の見事な姿を見ることができます。
こちらは出水の小川の前にある出水の枝垂れ桜です。雨の中でしたが、見事に咲き誇る桜を前にたくさんの方々が記念写真を撮っていました。
御苑には、京都御所の北にも枝垂れ桜があり近衛邸の枝垂れ桜と呼ばれている名所があります。数日前、天皇陛下と皇后陛下が京都御所にお越しの際もこの近衛邸跡の枝垂れ桜をプライベートで鑑賞されたとかでこちらも多くの人を集めていました。
桜の見ごろは今週末から来週にかけてになります。本日は雨でしたが、明日3/31は曇りのようで京都御苑にもたくさんの人出が予想されます。
京都市の賃貸物件数の時系列推移
さて、3月に入り引っ越しシーズンの到来です。このサイトでは様々な賃貸物件情報をグラフ化してそのトレンドを可視化しています。
集計対象は京都市内の賃貸物件です。
それでは早速、グラフを見てみましょう。集計期間は2019/3/2~2019/3/29です。
横軸は日付、縦軸は物件数になります。単位は千件です。3/2時点で京都市の物件は369,900件登録されていましたが、3/13時点では 367,000件の登録となっており、2,900件少なくなっています。そして3/30には361,000件と更に減少しています。月の初めから中旬までは-2,900件、中旬から下旬にかけては-6,000件と3月後半は前半と比較すると2倍のスピードで物件数が減少していることが分かります。このことから、物件推移は3月中旬から下旬にかけてがピークと言えると思います。尚、3月1か月間での京都市の物件の変動量は-8,900件となります。
3月は賃貸物件を解約して出ていく人(供給者)と賃貸物件を契約して入ってくる人(需要者)のバランスが崩れ、需要者が増えるため物件数が減っていると言えます。しかし、総物件数が36万件ですので、そのうちの8,900件(2.5%)が正味の変動分ということになります。
区域ごとの物件数の推移
次に前回に引き続き、区域ごとの変動を見ていきます。
一体、どの区域の物件の変動が多いのでしょうか?代表的な区での物件数の推移をグラフで見ていきたいと思います。
こちらは下京区の物件数推移です。3/4から3/5にかけて件数が1,600件ほど減っています。その後3/25まで27,000件前後を維持しますが、3/26に一気に2,000件増え、トータル29,000件を超えています。転出の際の賃貸契約解除からWEB掲載までにどらくらいのタイムラグがあるのか詳しくは分かりませんが、ここで新たな物件が増えたということは、これ以前のどこかで転出が転入を上回ったと言えると思います。下京区の3月の物件数のピークとボトムの差(変動量)は3,300件、月初と月末の物件数の差は400件です。
続いて中京区のデータです。3/2時点の42,000件、3/13時点では41,100件、3/29時点では39,900件と月を通して減少傾向だったことが分かります。
物件数のピークとボトムの差(変動量)は2,900件、月初と月末の物件数の差は1,900件です。 物件数が多い割には正味の変動は少なく、総物件数42,100件に対して変動量2,900件の割合は6.9%であり、需要と供給が安定しているとも言えます。
続いて左京区のデータです。こちらは3/2時点で44,100件あった物件数が3/11まで漸増傾向にありましたが、3/12に一気に2,400件増え、48,800件となっています。その後は前回予想した通り、入学や転勤等により新たな入居者が増えたため物件は減少傾向をたどりました。
物件数のピークとボトムの差(変動量)は5,600件、月初と月末の物件数の差は-200件です。 総物件数に対する変動量の割合は11.5%です。
次に伏見区のデータを紹介します。3/2時点で43,700件だった物件数が、3/13時点では44,800件と1,100件の増加となっており、その後3/25に47,400件とピークを記録し、その後減少に転じ、3/29時点で46,100件となっています。
物件数のピークとボトムの差(変動量)は3,900件、月初と月末の物件数の差は+2,400件です。 総物件数に対する変動量の割合は8.2%です。伏見区は3月は転出超過でしたが、4月にかけては他の区ど同様、転入超過で減少傾向が続くのでしょうか?引き続きウオッチしていきたいと思います。
続いて西京区です。3/2時点で18,400件だった物件数ですが漸増傾向がつづき、月末の3/29には21,600件と3,200件のプラスです。
先ほどの伏見区も同様の時系列傾向となっていました。西京区と伏見区は平均賃料や専有面積も似た傾向があることから、入居ニーズについても似た傾向があると考えられ、時系列データの傾向も似通った結果が出たと推定されます。
京都市以外の関西の市との比較
続いて参考データとして京都市以外の関西の都市である大阪市、豊中市、高槻市、茨木市のデータを紹介します。
大阪市の物件数は月初の314,000件から月末297,000件と17,000件マイナスとなっています。 総物件数に対する変動量の割合は5.4%です。
月初から月末にかけて減少傾向が続いているのは京都市と同様の傾向です。
尚、京都市の物件数が37万件でしたので、京都市の物件数は大阪市よりも多いことになります。ただし、土地面積は京都市が827.8km2、大阪市が223km2と京都市は大阪市の4倍近い面積がありますので単位面積あたりの物件数、つまり物件の面積密度は大阪市の方が高いということになります。
続いて豊中市です。こちらはほとんど物件数の変動がなく、月初の25,600から月末の25,400件と200件のマイナス変動に留まっています。千里ニュータウンなど比較的大規模な住宅地や桜塚など高級住宅地が多いも関らず、この安定した変動量ですので、市全体として受給バランスが取れた傾向になっていると言えます。
最後に高槻市と茨木市を見てみます。傾向はほぼ同じで、3月上旬から中旬にかけて転出超過で物件が漸増し、その後、転入超過で物件が漸減傾向が続きます。物件数は茨木市の方が高槻市よりも6,000件ほど多くなっています。
おわりに
3月は引っ越しシーズン真っ只中であり物件の増減が1年で最も激しい月です。
今回は2019年3月の時系列での京都市の物件数の推移を紹介しました。 転出と転入が繰り返され、物件数が1か月を通してどのように推移していくのか、各区域ごとのデータを紹介しました。
地域によって多少傾向は異なりますが、おおむね3月上旬と下旬とでは増減傾向が違い、 3月上旬から中旬にかけて転出超過で物件が増加し、その後、転入超過で物件が減少していく傾向があることが分かりました。また、3月の中でも後半の方が出入りが激しい地域が多いようです。物件数のピークが2月や4月に見られる地域もあるかと思いますので4月の時系列トレンドがどうなっているのか、今後も引き続き物件数の時系列の経過をウオッチしていきたいと思います。
今回は賃貸物件の時系列件数のみの紹介でしたが、定期的に賃料や間取りの情報も紹介しています。時系列ではなく、スポットデータの詳細をご覧になりたい方は以下の3月の情報をご参照ください。
今年のこのトレンドデータをよくご覧になった上で、今後の物件選定のタイミングを決める参考にして頂ければと思います。尚、物件選びは早い者勝ちですが、引っ越し業者もこの時期が最も繁忙期であり、仮に物件を抑えたとしても引っ越しのタイミングの自由度が低いといったことも良く聞きます。可能な限り早めに物件を決定し、引っ越し業者まで押さえてしまう段取りをおススメします。
これまでの当サイトのデータは以下を参照ください。