京都御苑の梅が咲き始めました。[京都市各区の賃貸物件の家賃分布 (2019年2月11日の賃貸データ)]

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2月中旬になり京都御苑の梅が五分咲きです。今咲いているのは蛤御門から出水口にかけての梅林と出水の小川の梅林です。
梅を見るために京都御苑にも観光客の足が戻ってきました。

気温は5度と低いですが、桜のつぼみも膨らんで来ており、京都の春の訪れが待ち遠しい限りです。

これから3月中旬くらいまでが梅の見頃となります。そのあと4月上旬にかけて桜の季節となります。

このサイトでは京都市各区の間取り毎の賃料や専有面積について、WEB上のリアルデータをもとに定点観測・集計をおこなっています。
生データを元にした京都市のリアルな現状を見て頂き、物件探しの参考にしてください。それでは2月の京都市の賃貸物件のトレンドを俯瞰してみましょう。

京都市全体の平均賃料と平均専有面積はどれくらい?

以下のデータは2019年2月11日時点での京都市内の賃貸物件を間取りごとに分類したものです。
以下のグラフでは、それぞれの間取りの賃料(平均値)を青字でグラフ中に記しています。「ワンルーム」などの間取りの横に記してある白の数字は物件数となります。

京都市全体では、単身者向けとなるワンルームの平均家賃は4.0万円(-0.3万円)、1LDKの平均家賃は8.3万円(+0.4万円)となっています。
ファミリー向けとなる2LDKの平均家賃は8.9万円(+0.5万円)、3LDKとなると平均家賃は10.5万円(-0.1万円)となっています。(カッコ内は前回調査との差分です。)
専有面積に関してはワンルームで19.5m2(-0.9m2)、1LDKで41.7m2(+1.3m2)、2LDKで54.9m2(+1.1m2)、3LDKで66.9m2(+0.4m2)となっています。

賃料および専有面積に前回から大きな変動はありません。
前回(2019年1月13日)のデータはこちらです。

続いて京都市全区における、ワンルームや1LDKなど全ての間取りを母数にした各区の物件の平均賃料です。

全体を通して5万円台から6万円台となっており、北区が最も安く中京区が最も高く、平均賃料で見ると1.7万円の差となっています。

間取り毎の平均賃料はどれくらい?

次に間取り毎の賃料を各区で見ていきます。
間取りごとの賃料が各区でどれぐらい異なるかが分かります。

ワンルーム

ワンルーム物件は3.5万円から4.8万円です。最も安いのは北区、最も高いのは南区という結果になりました。

1LDK

続いて1LDKです。最も安いのは山科区、最も高いのは東山区になりました。東山区では1LDKでも平均値が10万円を超えており、高級物件が多いことが分かります。1LDKの物件数が最も多いのは伏見区になります。

2LDK

2LDKの賃料は7.3万円から16.4万円です。最も安いのは伏見区、最も高いのは東山区という結果になりました。その差は2倍強になります。

3LDK

続いて3LDKです。最も安いのは伏見区の7.8万円、最も高いのは中京区で21.5万円と前回に引き続き20万円を超えました。その差3倍弱です。ファミリー世帯向けの広くて価格的にリーズナブルな物件を探すには伏見区、西京区山科区あたりが適しているようです。市中心部の20万円を超える物件はなかなか手が出ないですね。

賃料の分布はどうなっている?

次に各区毎に賃料の分布をヒストグラムにしたものを紹介します。
希望の間取りがその区でどのように分布しているかが分かります。また、専有面積と賃料の散布図も載せています。この二つのパラメータには正の相関があり、面積が広いほど賃料が高くなる傾向が回帰直線を見ることで分かります。傾きが大きいということは面積の増加の割合に対して賃料の増加の割合が大きいということであり、単位面積あたりの賃料が高いことを表しています。

では、まずはじめに、グラフ化するデータの母数となる各区の物件数のグラフを紹介します。

伏見区が2535件と最も物件数が多くなっています。伏見区は京都市の11の区の中で最も面積が広く、京阪、近鉄沿線は住宅地も多いため物件数も多くなっています。

それでは順に各区の物件の分布をヒストグラムと散布図で見ていきます。

1.北区

ヒストグラムを見てもらうとわかりますが、北区は1K物件が非常に多くなっています。物件数1819件のうち、1119件が1Kの物件です。従って、1Kの平均賃料4.3万円が北区全体の平均賃料5.0万円に大きく影響を与えています。回帰直線の係数は0.14です。

2.西京区

西京区は市の郊外にありますが、京都市中心部、および大阪までアクセスが良いこともあり、ファミリー世帯、単身世帯問わず物件数も多く、人気のエリアとなっています。回帰直線の係数は0.08と低く比較的リーズナブルな物件が多く、また専有面積の平均値が全区で唯一、40m2を超えており、広い物件が多いのも特徴です。

3.東山区

総物件数も767件と全区で最も少なくなっています。これは東山区には有名な観光スポットである八坂神社や丸山公園、清水寺、知恩院を始めとして大きな寺社が多く、総じて宅地用の土地も少なくなっているため、高めの賃料となっています。加えて、近年ではホテルの建築ラッシュもあり、地価の上昇に拍車をかけています。1LDK、2LDK、3LDKの賃料が京都市内でも高めの設定になっています。

4.右京区

ヒストグラムを見ると前月同様、5万円前後の物件が多く、2K、2DKの物件でも5万円台の物件が多くあります。回帰直線の係数が0.13ですので、北区の分布に近い傾向があります。

5.左京区

こちらも右京区と同様、回帰直線の係数は0.14ですが、散布図の分布をみると60m2より広い物件で、賃料が高い側にバラついていることが分かります。Sigmaは右京区2.4万円に対して左京区3.4万円ですので、バラつきは左京区の方が大きくなっています。岡崎エリアなど高級分譲マンションが賃貸として出されるケースがあり、広い物件の賃料を押し上げています。

6.上京区

先月に引き続き、全区の中で最も1Kの物件数が多くなっています。閑静な住宅が広がる今出川駅周辺や西陣地区にこれらの単身者向けの間取りの物件が多くなっています。また、堀川通沿いにはスーパーや商店街もあり、市の中心部にもアクセスがよいため上京区は人気のエリアになっています。1K物件が多いため平均賃料は若干低めになっていますが、回帰直線の係数は2.0と地価の高さを物語っています。

7.中京区

専有面積50m2以上の物件のバラつきが大きくなっています。Sigmaは4.9万円と賃料が高い側のヒストグラムの裾野が広がっています。市の中心部ということもあり、平均賃料は6.8万円と最も高くなっています。加えて、このブログでも度々言及していますが、観光客向けのホテルラッシュによる宅地不足により地価が高騰し、3LDKに至っては20万を超える賃料となっています。このハードルの高さが京都市にとって良いことなのか悪いことなのか、色々な側面で各所で議論を呼んでいます。

8.下京区

中京区ほどではありませんが、京都駅周辺の再開発による地価高騰により賃料も上昇傾向にあります。京都市営地下鉄の四条、五条、京都駅周辺は交通の便が良く、商業施設も多いためこの界隈の物件は若い一人暮らし世帯にも大変人気があり単身世帯向けの物件も多く存在しています。

9.南区

南区の物件数は779件と少なめですが、2LDK、3LDKの物件が100件弱あり、ファミリー世帯向けの物件も多くあります。これは京都駅に近い市営地下鉄の九条駅、十条駅周辺には大型マンションも多く、また京都駅周辺にも再開発によりマンションが増えていることが要因と考えられます。南区には企業や工場も多く、職場の近くに住みたいファミリー世帯のニーズもあり広めの物件が多いと推測されます。

10.伏見区

京都市で最も面積が広い区であり、物件数も2535件と最も賃貸物件が多くなっています。ヒストグラムを見るとSigmaが1.8万円とバラつきが小さく、賃料10万円でワンルームから3LDKまで綺麗に収まっています。2LDK,3LDK共に物件数が豊富にあり、京都中心部もしくは、京阪電車で大阪に通うファミリー世帯に人気があるエリアです。

11.山科区

6万円台の物件が多く、西京区、伏見区同様、交通アクセスも良いベッドタウンとして注目のエリアです。JR山科駅周辺はたくさんの商業施設もあり、市営地下鉄東西線沿線の交通の利便性もよいことからファミリー世帯、単身世帯向け共に物件が多くなっています。また、山科駅から南の醍醐エリアも物件数が増加傾向にあり、ファミリー世帯に人気のエリアとなっています。

終わりに

前回に引き続き、各区の間取りごとの平均賃料のヒストグラムや、賃料と専有面積の散布図を紹介しました。
グラフにすることで各区の間取りの賃料の関係、特徴がより分かりやすくなったかと思います

これから、3月から4月にかけて、1年でもっとも不動産業界が忙しい引っ越しシーズンに突入します。上記の賃貸トレンドを参考にSUUMOやHOME’sのサイト、もしくは不動産屋さんにアクセスして、気に入った物件を手に入れてください。